裸足の拝観者
多和田葉子さんの『裸足の拝観者』という本を知ってますか。
これは短編小説集の『光とゼラチンのライプチッヒ』という本に載っているみたい。
みたい、というのは私はそれを高校の教科書で読んだから。
華のJKと呼ばれる時期に鬼のように本を読んでいて、国語が得意だった私は当時衝撃的だった。教科書が何言ってるのか分からなかった。初めての経験。
だからいつかは読もうと思っていたけど、そのいつかがいつになるのか分かりませんでした。
でもひょんなことからきっかけは来るもので。
ドイツ人の先生(ただし日本語ペラペラ)が、多和田葉子さんの『献灯使』を紹介してくれました。多和田さんはドイツに拠点を置いていて、ドイツ語でも執筆しているのでそれで回ってきた次第。(先生に日本語とドイツ語のどっちが良い?と聞かれたけど日本語を迷わず選択しました。)
読むと多和田ショックを高校の時に受けていたせいか、そこまで読めないとはならなかった。でも読むのに時間が掛かる時間がかかる。なんとか先日読み終わりました。
その本は4編の短編小説からなっており、
なかでも好きなのはやはり表題作の『献灯使』。日本が鎖国されて外来語を一切使ってはいけないという法律が施行されてて、お年寄りが学校に行く体力もない子供を支えるというなんとまぁアイロニー。
その他の小説もことば遊びをしてみたり、原発の話題だったりして。物語は奇抜だけど描写が丁寧すぎて本当にあるか錯覚してしまうそんな作品。
つい読み終わるのに時間がかかってしまった。
今年の初めに難題に取り組めたので今年1年本をゆっくり読み続けたいな。